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たたらで鉄ができるまでー鍛冶屋谷たたら遺跡ー

たたらで鉄ができるまでー鍛冶屋谷たたら遺跡ー

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「たたら」とは・・・?
たたらとは、砂鉄と木炭を使って鉄をつくる古代の製鉄方法のことで、その製鉄の技術が、わが国に伝わってきたのは、弥生時代のころでした。
中国山地は良質の砂鉄を含んだ、かこう岩地帯が多いので、たたら製鉄には最高の場所でした。
むかしは、この富村でも多くの鉄がつくられ、その鉄製品は当時の日常生活にたいへん役立ちました。

1.鉄穴(かんな)流し(山で、砂鉄を含んだ岩石を掘りくずし、谷川に流します。)⇒2.とい流し(掘りくずして細かくなった岩石を下流に送り、流れをせき止めて、砂鉄だけをとり集めます。
⇒5.炉床づくりへ
3.原木の切り出し(山林から木炭のもととなる木を切って集めます。)⇒4.炭焼き(切った木を炭焼きにして、木炭をつくります。⇒5.炉床づくりへ
5.炉床づくり(炉は、湿気や熱が逃げるのを防ぐために、大規模な地下の工事が行なわれます。特に炉の底にあたる部分は、木炭や灰をたたきしめて固めます。
 高殿ーたたら施設を納める建物のことです。⇒
6.炉体をつくる(中板をおき、まわりにねん土とマサ土(砂鉄を含んだ土)をまぜたものを積み上げます。炉体は、1回の生産ごとに、つぶします。⇒
7.鉄をつくる(一代(ひとよ)の工程)(まきを燃やし、フイゴで風を送って炉の熱を上げていきます。こうして3~4日、夜もねないで木炭と砂鉄をくりかえし、入れます。⇒
8.鉄の誕生(炉の中では木炭と砂鉄の化学反応により鉄ができていきます。炉の下に穴をあけて、ゴミくずの入った物を流し出したりします。)
9.釜出し(炉をくずして、大きくなった鉄のかたまりを取り出します。)⇒10.又は11.へ
10.冷却(金池(かねいけ)ー炉から出された、熱い鉄のかたまりを冷やす池のこと。)(鉄のかたまりを、池に投げこんで、急激に冷やします。(この鉄を「水はがね」という)⇒
11.自然冷却(鉄のかたまりを、屋外で自然にゆっくりと冷やします。(この鉄を「火はがね」という)⇒
12.くだく(水車または人力で、鉄のおもりを巻き上げて落とし、下にある鉄のかたまりを打ちくだきます。)⇒
13.選別(打ちくだかれた鉄は、品質や形によって区別され、細かく分けられます。)  質の良いもの(玉はがね)と質のあまりよくないものに分けます。⇒
質の良いもの(玉はがね)⇒15.出荷へ
質のあまりよくないもの⇒14.大鍛冶場(おおかじば)の作業(品質のあまり良くない部分の鉄は、ここでさらに強く熱し、金づちでたたいて細かいくずの入ったものを取りのぞきます。
製品は小割鉄(包丁鉄)といいました。⇒15.出荷へ
15.出荷(いろいろな鉄製品は馬や牛で、また河川では舟で港まで運び、海を渡って大阪などへ出荷されます。⇒16.又は17.へ
16.鍛冶屋(かじや)(鉄を熱し、たたいて形をつくり、「くわ」や「のこぎり」などのさまざまな道具をつくります。⇒18.へ
17.鋳物師(いものし)(鉄を熱して溶かし、「なべ」や「かま」など、さまざまな生活用品をつくります。⇒18.へ
18.さまざまな鉄製品

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