加茂大祭

加茂大祭

京都の加茂祭にならって行われる寄せ宮祭りで、近郷8社からきらびやかな神輿が総社宮に集まり、古式にのっとり荘厳な時代絵巻が繰り広げられる。950年以上の歴史を有し、岡山市の吉備津神社「七十五膳祭」、賀陽町の吉川八幡宮「当番祭」と並ぶ、県下三大祭の一つ。

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名称 岡山県指定重要無形民俗文化財 加茂大祭 昭和34年3月27日指定
所在地 〒709-2333 吉備中央町加茂市場1567
TEL 0866-54-1301 吉備中央町協働推進課

0866-54-1301 吉備中央町観光協会

開催日  10月第3日曜日、
祭の歴史と規則

この大祭の歴史は、社伝によると、天喜年間(1053-1058年)と記録されている。

今から数えて950年余りとなり、祭の始まりは、当地方に悪い病気がはやりそれを追い払うために
行われたと言われている。

途中、戦国時代200年は行われなかったが、今日に至るまで延々と続いている。

祭の形式は寄宮祭という珍しい形で、町内鎮座の鴨神社・化気神社・松尾神社・日吉神社・
すさのう神社・八幡宮・天計神社・三所神社の八社が自分の神社から総社へ行列を整えて集合し、
総社を交えた九社で大祭が行われる。

伝統的祭だけに厳格な規則があり、その規則が遵守されてはじめて祭も順調に執行される。

総社へ集まる道中での、他の神社と出会ったときの挨拶のしかた、総社境内に入る行列の順番、
参観者のきまり、又逆にそれぞれ鎮座地へ帰る際、総社を出るときの順番等に細かい規則があり、
それに従って大祭は執行される。

それらの規則は、毎年9月29日に、9社の宮司、総代の代表者が集まって会議が開催され、前年度の
大祭の反省をすると同時に、本年の新しい規則の確認が行われる。

又、当日は、総社社殿で今年の祭執行の奉告祭も併せて行われる。

9社の会議で決まったことは、各神社の総代会議へ持ち帰り協議され、更に集落氏子会を通じて各戸に
伝達し、当日の行列の役割も決まり、いよいよ祭への参加準備となる。

大祭前日から夜明けまで 大祭前日の土曜日は、各神社で例祭が行われ、氏子内をお旅所へ神幸する
祭が執り行われ、そのあと大祭へ出向く準備が行われる。

大祭当日、各神社の出発時間は午前2時から午前7時までで、総社への距離によりそれぞれ違っている。

道中では神社同士の出合い、出合い前の使者のやりとり、酒迎えの行事等が行われ、お道具・御神輿を
自動車に乗せた行列が、夜明けの道を総社へと繰り込んでゆく。

        (加茂川町教育委員会発行「加茂大祭」より)下に続く

関連施設 お祭り会館
交通 JR津山線金川駅より福沢行バス30分、加茂市場下車すぐ、

山陽自動車道岡山ICより車約60分

駐車場 普通車30台

入御
午前7時、大鳥居の外側に鴨神社、化気神社の行列が向き合うと、煙火の合図で入御(お入り)の行事が始まる。各社の行事のやり方は多少違うが、社名旗・幟・鉾・鉄砲・矢・槍・棒使い・薙刀・傘・鳥毛・大鳥毛・獅子・笛・太鼓・手拍子・大傘・立傘・傘矛・真榊・高張提灯・大榊・奉弊・宮司・御神輿等で編成され、一神社80人前後の人が役割を分担している。
行列は笛、太鼓の境内に鳴り響く中を、社名旗を先頭に次々と順を追って入り、鳥居の内外で棒使い、獅子舞、鳥毛練り等が奉納され御神輿が最後に境内に入る。

その間、総社宮司と入御神社宮司との間に、到着お出迎えの行事のやり取りがある。
その直後、供人に担がれて待機していた金色燦然たる御神輿が、高く低く揺れ動き、どっと境内へと入っていく。
そして、本殿の左右の長床(御神輿部屋)へ一社づつ入り、八社全部の御神輿が入り終わるのは午前11時ごろになる。
この祭の秩序を守る役目を受け持つ人には鳥居付近に桟敷が設けられ各社二名の総代がここにつく。この人たちは、大祭当日の最高責任者で、大祭の進行をつかさどる。
そのほかに、定紋入りの制服に身を固め、六尺あまり(約1.8m)の青竹を持った警固(警備員)は、境内境外の要所で行列の整理や、祭の進行に妨げのないようにする役目も持っている。

お遊び 
八社の入御が終了するとしばらく休みがあり、境内の規制が解かれ、長床の八社への参拝などが行われ境内は見物、参拝の人でいっぱいとなる。

その頃から参拝客、供人のお弁当の時間になる。総社前の宇甘川河原には、各社割当ての区域が定められている。
せせらぎの音が聞こえる河原では、ふるさと料理の鯖寿し等丹精を込めて作られた盛り沢山の弁当が所狭しと広げられ、招かれた祭客や、供人同士の格好のふれあいの場となり、加茂大祭ならではの風物詩となる。
やがて煙火の合図があると、東西の長床の前でお遊びという神事が行われる。この神事は集まった神々に奉納されるもので、玉だすきに鉢巻き姿で薙刀を自由に振り回し、スピードを次第にあげて悪魔払いの仕草をする太刀振り、獅子頭を持つ人が、台になる人の肩に乗り、大勢の人に支えられて高さ比べをする継ぎ獅子(獅子舞)等が、笛、太鼓のはやしに合わせて各社順番に行われる。天狗面、鬼面に色鮮やかな更紗の衣装で、樫で作った六角棒で術を交わす棒使い。

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御神幸 
いよいよ大祭のクライマックスである御神幸がはじまる。まず、東西の長床の代表二社が御神幸開始の挨拶を行う。そして境内の祭の供人は、所定の位置につき、社叢に高く響き渡る笛や太鼓の音も最高のボリュームとなる。
煙火を合図に東西の長床より、八社の御神輿が順次斜めになって繰り出してゆく。はやる力をおさえ、満を持した姿勢で御神輿は進み、随神門前に横一列に並び期せずして「ウオーツ」という声が上がり、八つの御神輿は供人の指先に支えられ、高さを競うかの如く差し上げられる。まさに大祭の最高潮の場面である。
このとき、随神門の所で総社宮司が大麻(おおぬさ)を左右に振ると御神輿は一斉に降ろされ、掛け声によって低く高く揺さぶられ、元の長床へ納められる。そして激しい興奮の後の虚脱に似た、安らぎと落ち着きが境内に広がってくる。

にぎわい 
次に最後の行事として、総社より八社へお供えの式が行われる。
このころ総社前の道に、あふれんばかりに立ち並ぶ露天の店前は、祭土産を買う人たちで盛んなにぎわいをみせている。
やがて祭も終わりに近づき還御(おたち)の行事へと移る。入御の場合と同じく、厳格な規則のもとに順序を追って各社は神社へ帰られる。
帰りの順番は入御とは違い、午後一時半頃三所神社から始まり、すさのう神社がしんがりとなる。

祭が終わって 帰る道中も、酒迎えやむすび等の振る舞いを受け、氏子の求めに応じて、宮司は、家内安全、無病息災等のお払いを授けつつ帰る。
各神社へ着く時間は、早い神社で午後4時、遅い神社では午後八時頃となる。
そして総社の森には再び静けさが戻り、祭に参加した人々の心には、笛や太鼓の音が余韻となっって、にぎやかだった祭の情景と共に残っている。
また、来年の祭を楽しみに…・・。 (加茂川町教育委員会発行「加茂大祭」より)