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王墓山古墳

王墓山古墳

(おうぼさんこふん)県指定史跡 昭和34年3月27日指定
古墳時代後期(6世紀後半頃)につくられた古墳である。かっての開墾や宅地造成などにより墳丘はかなり変形を受けているが、もともとは25m程度の規模をもつ円墳ないしは方墳と考えられる。
内部主体には横穴式石室を有していたが、石室は明治末頃に石材として切り出されたといわれ、今は見ることができない。墳丘南東側に安置されている石棺は、この時に多量の副葬品とともに石室内から持ち出されたものである。
石棺は七枚の石を組み合わせた家形石棺で、石材には井原市浪形(なみがた)に産する貝殻石灰岩を用いている。同種の石棺を有する古墳は、総社市こうもり塚古墳など数例しか知られておらず、しかも有力な古墳に限られている。
出土遺物には、四仏四獣鏡をはじめ金銅装馬具・鉄製武具・装身具類・須恵器など多種多量の副葬品が知られており、それらは現在東京国立博物館に収蔵されている。
これらの豊富な副葬品や家形石棺の存在などから、王墓山古墳は、この地方においてかなり傑出した存在であったことがうかがえる。
                                倉敷市教育委員会(現地案内板)
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