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月の輪古墳推定復元図

月の輪古墳推定復元図

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月の輪古墳は海抜320mの大平山(おおひらやま)山頂に、5世紀前葉に築造された大形の円墳です。
墳丘は直径約60m、高さ約10m、墳頂平坦部の直径約17mで、墳丘の中腹に幅約1mの段をめぐらし、北側の裾には造り出しを設けています。

墳丘斜面には、角ばった石の葺石がふかれ、墳頂の縁、段上及び裾には円筒埴輪(えんとうはにわ)とそれに交えて朝顔形埴輪(あさがおがたはにわ)がめぐらされていました。
墳頂には角ばった石による方形区画が設けられ、そのなかに楯形(たてがた)、靭形(ゆきがた)、甲形(よろいがた)、 蓋形(きぬがさがた)、家形などの形象埴輪(けいしょうはにわ)が配置されていました。

墳頂下約1.50mのところに埋められていた木棺粘土槨(もっかんねんどかく)二つのうち、中央棺は長さ5,65mで、遺骸(いがい)のほか首飾(くびかざ)り、鏡、短甲(たんこう)、刀・剣、鉄鏃(てつぞく) 、銅鏃(どうぞく)などの副葬品(ふくそうひん)が出土しました。

南側の棺は長さ3.10mで、遺骸のほか首飾り、竹製漆(うるし)ぬり櫛(くし)、鏡、刀、剣、ぬい針(鉄)、石釧(いしくしろ)などが出土しました。
遺骸(いがい)と副葬品(ふくそうひん)から中央棺の被葬者は男性、南棺は女性と推定されています。

北側の造り出しからも木棺粘土槨(もっかんねんどかく)が発見されましたが、遺骸も副葬品もありませんでした。
昭和28年(1953年)8月から12月にかけて、研究者の指導のもとに地域住民、教師、生徒等の協力によって行なわれた発掘調査と発掘運動は「月の輪方式」と呼ばれ、学問的にも、教育上でも、住民運動の面でも、多くの成果と課題を投げかけました。

出土品は昭和59年4月10日県主要文化財に指定され美咲町飯岡の文化財収蔵庫(月の輪郷土資料館)で展示公開されています。
     平成20年(2008年)10月 美咲町教育委員会(現地案内板)