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清麻呂公御真筆ー和気神社ー

清麻呂公御真筆ー和気神社ー

この書は、和気神社の御祭神である和気清麻呂公の御真筆と伝えられているもので
「我独り天地に慙(は)づ」と読む。

奈良時代の終わりごろ、神護景雲3(769)年、僧道鏡が臣下の身で皇位を望むという事件があった。

それに対して、誰も逆らわず黙っていた時、清麻呂公は天皇の命によりただひとり豊前国(大分県)の宇佐神宮に詣で、「わが国は初めから君臣の分が定まっている。道にはずれた者は速やかに排除しなければならない。」という神託を得て、堂々と報告し、道鏡の野望をくじき、命懸けで国家の危機を救った。

この書は、世の中の人がどうあっても、自分ひとりだけは天地の澄みきった心に照らして恥じることのないように、また自粛自戒に心がけ謙虚に正しい道を歩もうという、公の心境をよく表している。

清麻呂公は後に、平安京の造営を進め、土木治水工事や民政にも努め、また、没後、長男の広世が父の遺志として、百町歩の墾田を故郷(備前八郡三十余郷)の農民に寄付した。
このように、清麻呂公はその名の通り、清らかにして私利私欲なく、誠の心をもって公事と民事に尽くした。
    和気神社崇敬会(現地案内板)
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