国指定重要文化財 岡山城 月見櫓 昭和8年1月23日指定

岡山城 月見櫓

岡山城 月見櫓は、岡山城本丸跡に現存する唯一の櫓で、池田忠雄(ただかつ)ー元和元(1615)年~寛永9(1632)ーによって建てられた。城の裏口を守る目的の建物であったが、平時にも月見を始めとした四季の眺望と小宴を催すのに格好の構造となっている。岡山城内にあった櫓の中で最も新しく優美であったと言われている。

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月見櫓 構造図ー南よりー

月見櫓 構造図ー東よりー

国指定重要文化財 岡山城月見櫓

月見櫓は、岡山城本丸を構成する一二三の段の二段目に当たる中の段の北西角を固める隅櫓で、池田忠雄が岡山藩主であったときの城郭整備に伴い、元和年間から寛永年間前半の
時期(1620年代)の建築と判断されています。

構造は、一部地下付きの塗籠造り本瓦葺き二階建てで、城外(北西)側から眺めると二層の望楼型の様相を示し、城内(南東)側から眺めると三層の層塔型の景観を呈しています。

規模は、地階と一階が桁行(東西)三十二尺三寸(九.七九メートル)・梁間(南北)二十六尺二寸(七.九四メートル)・二階が方形で桁行・梁間とも十六尺五寸九分(五.〇三メートル)、棟高四十五尺四寸(十三.六七メートル)です。

地階は、一階床下の貯蔵場所であり、一階の床板が引上げ式の戸造りとなっていて、有事の際に一階へ通じる作りとなっています。

一階は、西面に石落し(俯射装置)付きの唐破風造りの出格子窓を設けて城外側への臨戦の備えをなし、南面西寄りに入口を設けています。

二階は、西側の初層屋根の妻部に千鳥破風の格子窓、西壁に引き違い窓、北側の踊場北窓に破風造りの武者窓、北側に引き違い窓を設けて、一階同様に城外側への備えを厳しくしています。

その一方で、二階の城内側の東面と南面には雨戸を立ての手摺付きの縁がめぐり、内側に腰高明り障子を立てており、二階のたたずまいは、城内側が日常生活仕様となっていて、平時にも月見を始めとした四季の眺望と小宴を催すのに格好の構造となっています。岡山市教育委員会 岡山さくらライオンズクラブ ( 現地案内板より)

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月見櫓下の石垣

月見櫓下の石垣

この月見櫓下の石垣は、池田忠勝が1620年代に築いた石垣で、上には月見櫓が建っている。隅部は表面を特に平らに整えた方形の割石を配し、その長辺を交互に振り分けた算木組みとなっている。

月見櫓の石落し

月見櫓の石落し

岡山城 月見櫓の一階には、北側と西側の西面に石落し(俯射装置)付きの唐破風造りの出格子窓を設けて城外側への臨戦の備えをなしている。

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