百間川河口水門改修記念碑ー明治時代ー

百間川河口水門改修記念碑

百間川河口水門改修記念碑

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明治25年5月、上道郡の人々の要請によるこの水門の改修工事が完成しました。
この年をさかのぼること約200年、元禄時代に新田が開墾された際に設けられた最初の水門に郡民は永らく安堵してきたのでありますが、老朽化が進んだため、これを改修強化して、防災の完璧を図るという大工事でありました。
費用は地方税によった由でありますから、住民はいっそう切実な問題と受け止めていたことでしょう。工事の完成を喜んで記念碑の建立を思い立ち、碑文を野崎萬三郎氏に依頼しました。

野崎氏は当時、県の書記官でありましたが、若い頃から租税の減税と民間に富を蓄積する対策に努力を続けた人であり、県の官員になって収税長・参議官を歴任し、この水門の改修工事にも深い関係がありました。
碑文は工事の由緒から構造・工法に至るまで詳細に記述され、行間に同慶の感慨がにじみ出ています。最後に添えられた銘は碑文の結論であり、この水門の精華を次のように賛美しています。

おごそかに城壁さながらに 石門の姿の雄雄しさよ
湖と水とはただの敵・南北の来攻無駄骨よ
門の開閉臨機応変 働く成果完全無欠
民を豊かに恵を厚くし いつの世までも絶えるなし

なお、篆額は当時の県知事千阪高雅氏、書は漢学者多田省一氏、彫刻は小川興源氏の各位が協力されています。

文責 廣常人世 岡山大学名誉教授
国土交通省中国地方整備局 岡山河川事務所 平成27年3月(現地案内板)

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