百間川一の荒手・二の荒手ー永忠堤(えいちゅうつつみ)ー
一の荒手は、岡山城下を旭川の洪水から守るため開削した百間川放水路に流入する水量を調節するための洗堰(越流提)。三つの洗堰(一の荒手・二の荒手・三の荒手)が設けられたが、現在、一の荒手・二の荒手のみが残っており、三の荒手は消失している。江戸時代、津田永忠の指揮の下で構築され、構築当初の原形を一部ではあるが留めた全国唯一の施設。これらの荒手(=越流堤)は、永忠堤(えいちゅうつつみ)とも呼ばれている。
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名称 | 土木学会選奨土木遺産 百間川一の荒手・二の荒手 平成27(2015)年認定 |
所在地 | 岡山市中区今在家地先 |
TEL | 086-293-3211 岡山県古代文化センター |
特色 | 荒手(越流提)とは洪水を調整するために一部分を低くした堤で、ここ百間川の荒手は、 貞享3(1686)年から4年にかけて整備したと考えられている。三の荒手は、明治25(1892)年の洪水で流出し今は残っていない。背割り堤は、旭川から百間川を分けるための堤でその端部の洗堰に面した部分が亀の甲。一の荒手と二の荒手は、「百間川大水尾旧跡」、「米田の旧堤防」と共に 「百間川の治水施設群」として、平成27年度土木学会選奨土木遺産として認定されている。 |
交通 | JR山陽本線西川原駅より徒歩約35分、
山陽自動車道岡山ICより車で約25分 |
駐車場 | ー |
百間川は岡山城下の防災だけでなく、基幹的な排水施設として新田開発にも大きな役割を果たした。この歴史的功績から、平成27年に日本土木学会選奨土木遺産に、令和元年には世界かんがい施設遺産に登録されている。
一の荒手(幅約180m)は越流部と、その両端にある亀の甲の形をした「巻石」と呼ばれる曲面で構成される石積み石造構造物(長さ22m、高さ4.5m)から出来ている。
百間川せせらぎ広場は、百間川分琉部、一の荒手脇にある親水公園。旭川から引き入れた水流のせせらぎを利用した水遊び場の周りに芝生広場を造ると共に桜の植樹などを行い、春は花見、夏は桜の木陰で子供たちが水遊びが出来るようになっている。
国土交通省岡山河川事務所主催、百間川一の荒手改築工事の現地説明会。2017年12月24日開催。「一の荒手」は、旭川の増水時その流れを百間川放水路に逃し岡山城下を洪水から守るために江戸時代に設けられた治水施設。
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改築前の百間川一の荒手(二の荒手は改築済のもの)
- 亀の甲
- 百間川一の荒手
- 百間川二の荒手
- 一の荒手
- 背割り提
- 一の荒手上流部の旭川
- 一の荒手
- 岡山市街遠望
- 一の荒手遠望
一の荒手
二の荒手