矢藤治山古墳(やとうじやまこふん)
矢藤治山古墳(やとうじやまこふん)は、吉備中山の南面する尾根上に築かれた前方後円墳で、前方部が撥形を呈しているのが特徴。
前方部の付け根付近で終末期の特殊器台と特殊壺が数多く発見されたこと、棺内・外から発見された副葬品、それに撥形の前方部という特徴から考えて、弥生時代終末期~古墳時代初頭頃の築造と推定され、全国でも最古型式の前方後円墳であり吉備における最も重要な遺跡の一つと考えられている。
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構造及び古墳の規模
墳丘長:約35.5メート
後円部ー直径:約23.5mx高さ:約3m、前方部ー長さ:約11.8m
後円部中央に竪穴式石室ー石室規模ー長さ2.7mx幅1.0mx高さ0.7m
石室内部ー箱形木棺(頭位を北として設置)大きさー長さ約2.5mx幅約0.85m(痕跡より推定)
副葬品(後円部)ー棺内(方格規矩鏡 1、勾玉 1、ガラス小玉 50)、棺外(鉄斧 1)
前方部ー木棺の痕跡が認められているも詳細は不明
発掘調査時期ー1990年~1992年 矢藤治山古墳発掘調査団長 近藤義郎氏
現地案内板(岡山市吉備地区地域活性化推進実行委員会)を参考
ここで注目すべきことは、矢藤治山古墳は、前方後円墳の中で最も古いとされている箸墓古墳よりも古いのではないかという説が、薬師寺慎一著「吉備の中山と古代吉備」(吉備人出版)の中に書かれていることである。その理由として発掘されている特殊器台の種類が挙げられている。詳しくは同書を。