吉備の中山と磐座・巨石・奇岩など

吉備の中山と磐座・巨石

吉備の中山と磐座・巨石

磐座は、石位・石坐・石座・岩倉・磐倉・石蔵・岩蔵などとも書かれ、またその定義についても専門家の中では様々な説がある。薬師寺慎一氏はその著書「祭祀から見た古代吉備」(吉備人出版)で、磐座(イワクラ)とは神の依代(ヨリシロ)即ち、祭りなどの際に神様が一時的に宿るあるいはお座りになる岩と述べている。

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神社や仏閣の建物が信仰の場所となる以前の太古の時代は、太陽を中心として、その地域での山や岩が信仰の対象となっており、その様な素朴な信仰の対象となったといわれる山やそこにある岩そしてその付近の風景に古代の人々の思いを想像するのが楽しい。

従って、あまり難しく考えないで吉備の中山の散策を楽しむ為に、吉備の中山とそこにあって信仰の対象となってきたと思われる岩を、「吉備の中山と磐座・巨石・奇岩」と題して掲載。

ここで取り上げる中には、永く草木に埋もれていて、「吉備の中山を守る会」の人達による木や草の除去努力によって新しく見つけ出された岩もあり、信仰の対象であった岩か否かはっきりしない岩もあります。

現地案内板に説明がある岩は、吉備の中山散策の中で見つかった範囲で全て取り上げました。

元宮磐座

元宮磐座

元宮磐座

元宮磐座と名付けられたこの岩は、吉備の国の中心であったとされ、信仰の対象の山であった「吉備の中山」の北峰、龍王山の山頂近くにある大きな岩。吉備津彦神社では5月の第2日曜日に磐座祭を行い、この岩の前で神事を行っている。

八畳岩

八畳岩

八畳岩

吉備の中山の尾根上に大小100を越える岩が集合して露出している所がある。その中で最大の岩の上面が平らで、畳八畳ほどの広さがあることからこの名がついたものと考えられている。八畳岩は吉備の中山の磐座の中でも代表的なもので、吉備津神社の奥宮として信仰されてきた。

天柱岩

天柱岩

天柱岩

吉備の中山の竜王山山頂から福田海方面に降りる参道の斜面にあるこの岩は、昭和9年(1934年)に福田海の中山通幽が「天柱」の文字を刻んだことから「天柱岩」と呼ばれている。国道180号線の吉備津神社参道松並木近く、JR桃太郎線陸橋上やその南付近からもよく見える。

夫婦岩遺跡

夫婦岩遺跡

夫婦岩遺跡

吉備の中山の北峰(竜王山)の南斜面に、巨岩が二つ仲の良い夫婦のように寄り添って並んでいるのを見ることが出来る。岡山市の遺跡一覧に記載されながら長く所在が分からなかったのを、「吉備の中山を守る会」のメンバーが調査して平成19年に発見。

鏡岩

鏡岩

鏡岩

吉備の中山の山頂近くに、表面が鏡のように平らになっている岩が山道に沿って一列に並んでいるところがある。その中で最も南側に一番大きな岩がその表面の形から鏡岩と呼ばれている。

穴観音

穴観音

穴観音

穴観音は、岡山に伝わる桃太郎伝説の桃太郎の墓とされている、中山茶臼山古墳の円墳部に向かって拝むように置かれた観音様!昔からの言伝えで側面の穴に耳をあてると観音様のお声が聞こえると言う俗信仰があって、昔から縁日には参拝客が多い。

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環状石籬

環状石籬

環状石籬

自然の石を環状に配列した遺構(ストーンサークル)ではないかと考えられていて、縄文時代の墓ともいわれているが、研究者の間では、環状石籬とすることに懐疑的な意見もあるとか。

お休み岩

お休み岩

お休み岩

この岩について特に記録や言い伝えは残されていません。他の地域では神さまが休息された「腰掛け石」や「お休み岩」と呼ばれるものの言い伝えが数多く残されている。

影向石

影向石

影向石

吉備の中山の西麓で、吉備武彦命を祀っていたといわれる新宮社跡にある影向石(ようごいし)。影向とは神仏が一時的に人前に現れることをいい、影向石とは神を遙拝したり、降臨する神を拝んだりする場所にある石のことで「拝み石」ともいう。

岩山宮ー吉備津神社ー

岩山宮ー吉備津神社ー

岩山宮ー吉備津神社ー

吉備津神社 岩山宮は、回廊をえびす宮からさらに少し下がった左側、あじさい園の中央にある石段を登ったはるか上方に見える。ご神体を見ることはできないが磐座とのことで吉備の国の地主神である建日方別(たけひかたわけ)を祀っている。

備前吉備津宮の磐座

備前吉備津宮の磐座

備前吉備津宮の磐座

備前吉備津宮(吉備津彦神社)の磐座ーこの忠魂碑の台座として使われている大きな石は、かってはこの忠魂碑が立っている広場より一段高い後ろ側の土地にあり、社殿は無く、この巨岩を神のヨリシロ(磐座)として吉備の中山を拝んでいたのではないかと考えられている。

不動岩

不動岩

不動岩

不動岩は福田海の敷地内、根本中堂の背後に祀られている自然の巨岩。この場所は吉備の中山の一つ有木山の麓に位置し平安時代には有木神社という神社が祀られていた。この不動岩は有木神社が祀られる以前から磐座として信仰の対象であったと考えられている。

経塚ー吉備の中山ー

経塚ー吉備の中山ー

経塚ー吉備の中山ー

吉備国の中心とされる所にあり信仰の対象とされてきたという吉備の中山、その最高峰、竜王山山頂、八大龍王の両脇に鎌倉時代に経を筒に納めて埋納したとされる経塚がある。

八大龍王

八大龍王

八大龍王

吉備の中山の最高峰龍王山(標高170m)の山頂に八大龍王の祠がある。龍神は雲をあやつり雨を降らせる力を持つとされ、雨の少ない岡山南部の農耕社会では重要である。この祠は、天明年間(1781年~1788年)の大干ばつの時、岡山の商人常盤屋が奉献したもの。

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